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歯が痛い!原因と対処方法とは

歯が痛い!原因と対処方法とは

歯痛のしくみ

歯が痛くて頰を抑える女性の写真

「歯が痛い」と感じたら、それは歯の周囲に何らかの異常が生じている可能性が高いです。歯の内部には神経や血管から成る「歯髄(しずい)」が分布しており、外からの刺激、あるいは歯の内部に生じている異常を「歯痛(しつう)」として感知することができるからです。
最も一般的な歯痛の原因は「虫歯」ですが、実はそれ以外にもさまざまな病気や異常が潜んでいることもあります。

歯痛の原因

歯痛の原因は、「歯の異常」と「歯の周りの異常」の2つに分けることができます。

1)歯の異常

①象牙質知覚過敏症

「冷たいものがしみる」という症状が主体の場合は、象牙質知覚過敏症が疑われます。エナメル質に亀裂が入っていたり、摩耗したりしていると、冷たい刺激が象牙質へと伝わり「しみる」という感覚を引き起こすのです。

②虫歯

虫歯を発症すると、エナメル質が溶かされ、象牙質がむき出しとなります。すると、冷たいものや甘いものがしみたりするようになります。虫歯がさらに進行すると、歯の神経まで侵されてしまうことから、激しい痛みを伴うようになります。歯痛が生じる最も典型的な原因といえます。

③歯の破折

転倒や交通事故などによる外傷で、歯が折れたり、大きな亀裂などが入ったりすると、強い痛みが生じるようになります。とくに、なにかを噛んだ時に激痛が走るため、日常生活に支障をきたすことも少なくありません。これもまた、外からの力が歯髄へと伝わりやすくなったことが原因といえます。

2)歯の周りの異常

①根尖性歯周炎

根尖性歯周炎(こんせんせいししゅうえん)とは、虫歯が重症化して歯の根っこの先である「根尖」から細菌等が漏れ出た状態を指します。根尖部の歯茎が腫れるのが特徴です。対合する歯と噛み合ったときに痛みを感じることから、歯に原因があると勘違いしてしまうことが多々あります。けれども、この時点で歯の神経は死んでいることから、痛みを感知しているのは「歯周組織(ししゅうそしき)」となります。治療を受けずそのまま放置すると炎症の範囲が拡大していくため注意が必要です。

②辺縁性歯周炎

辺縁性歯周炎(へんえんせいししゅうえん)とは、歯周病の代表的な病態で、歯茎が赤く腫れるのが特徴です。食べ物を噛んだり、対合する歯と噛み合ったりした際に痛みを感じます。根尖性歯周炎と同じように、痛みが生じているのは歯ではなく歯周組織です。

③智歯周囲炎

智歯周囲炎(ちししゅういえん)とは、親知らずの周囲に歯周炎を発症した状態です。親知らずの周囲組織が赤く腫れることから、痛みを感じるだけではなく、口が開きにくくなったり、食べ物を飲み込みにくくなったりすることもあります。

3)食片圧入

食片圧入(しょくへんあつにゅう)とは、食べ物が歯と歯の間に詰まった状態を指します。強い圧迫感や不快感を伴うのが特徴です。食片を取り除けば、症状は改善されます。

痛みは歯や歯周組織が原因でないことも

ここまで、歯や歯周組織に由来する痛みについてご紹介してきましたが、実はそれ以外の原因で歯痛を生じることもあるのです。これを「非歯原性歯痛(ひしげんせいしつう)」といいます。

◎非歯原性歯痛とは

本来、歯に生じる痛みというのは、何らかの刺激を歯髄が感知することで痛みを認識します。一方、非歯原性歯痛では、歯に直接的な刺激が加わっていないにも関わらず、痛みや不快感などが生じてしまいます。そんな非歯原性歯痛は、以下に挙げるような4つに大きく分けることができます。

①咀嚼筋の痛みによる歯痛

食べ物を咀嚼(そしゃく)する際に使う咬筋や側頭筋などが歯痛の原因となる場合がります。実際は、筋肉自体に痛みが生じているのですが、歯に痛みが生じていると勘違いしてしまうのです。こうしたケースでは、筋肉を温めたり、マッサージを施したりすることで症状が改善します。

②神経障害性の歯痛

帯状疱疹(たいじょうほうしん)や三叉神経痛のような「神経が障害される病気」によって歯痛が生じることがあります。それぞれ原因となっている病気を治すことが第一ですが、場合によっては半お神経を抜くことで対処することもあります。

③神経血管性の歯痛

神経血管性の歯痛とは、いわゆる「片頭痛(へんずつう)」が原因となって生じる歯の痛みです。歯髄の痛みと類似していますが、実際は歯に痛みが生じているわけではありません。また、症状も一過性に生じることが多いといえます。

④心因性の歯痛

心因性の歯痛とは、歯やその周囲に具体的な異常はないにも関わらず、強い痛みや不快感などが生じる病態です。あるいは、ちょっとした刺激に対しても過敏に反応してしまい、強い痛みと錯誤(さくご)するケースも心因性の歯痛に含まれます。これらを専門的には「歯科心身症」と呼びます。

歯痛が起きたときの対処方法

ここまで、歯痛が生じる原因について解説してきましたが、対処方法はそれぞれのケースによって大きく異なります。根本的な原因となっている病気の治療はもちろん、それだけでは改善されないケースも多々ありますので、まずはお気軽に当院までご相談ください。歯痛が強い場合は「バファリン」などの市販薬を服用し、症状の改善にお役立てください。具体的な診査・診断、治療については、専門家である歯科医師にお任せください。

【まとめ】

このように、歯痛の原因は、歯や歯周組織の病気に加え、筋肉や神経の異常など極めて多岐にわたりますので、まずは焦らず原因の究明をしっかり行っていきましょう。それぞれのケースにおいて最善といえる治療を施すことが何より大切です。

  • -この記事を監修した歯科医-

    くろさわ歯科医院 副院長 前田 昌孝

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