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高齢社会と歯科医療

みなさんこんにちは

歯科医師の前田です。

日頃の診療から若年~中高年の方々まで幅広く診療をさせて頂いておりますが

最近の当院への初めて来院頂く患者様の訴えの多くは、

若年者の方の場合、「大きな虫歯」や「親知らず」のお痛みの訴えが多く、
中高年の方の場合、「現在使用している被せものの不具合」や「歯牙の欠損した部分に対する治療」についての訴えが多くあります。

ここで最近の論文で発表された文献の一部についてお話差し上げたいと思います。

①歯の数と生存期間の関係

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国内での研究で特定地域の約6000人を対象とした15年にわたる研究の中で、咬む機能を成す歯(=機能歯)を10本以上持つ患者様とそうでない患者様とでは80歳以降の生存率に有意差が認められています。

②歯の数と認知症の関係

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国内での認知認定を受けていない65歳以上の約5000人を対象に4年間の追跡研究を行った中で「歯の数が多いほど、また、歯がほとんどなくても義歯を入れてよく噛める状態であれば認知症になる比率が少ないこと」が認められています。

③歯の数と健康度の関係

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歯科を受診した方の歯数と、その方が医科にかかった医療費の関連性を調査したところ、歯数が少ない方ほど健康な方(=⒛歯以上)に比べて約1.4倍ほど医科の医療費が高い傾向を示していることが分かりました。この調査により歯が健全数にある人ほど医科医療費が少なく、健康度が高いことが推定されます。

こちらのグラフは厚生労働省の介護保険事業状況報告書の中で要介護別認定者数の推移を示したものです。

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平成12年4月から平成24年4月の間に要介護者が2.44倍に増加しているのが分かります。
近年、警鐘されている「老人介護」の問題を改めて直視しなければならない状況であることがよくわかります。

最後にこちらのグラフは、高齢者人口の将来的な増加予想数(2005年→2035年)を示したグラフです。
関東の首都圏や他の主要都市での急激な高齢者の増加率が現在深刻化する可能性が報告されています。

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我々、歯科医師は歯科治療・技術に専念するだけでなく、国内情勢を見据えた上で常に変化する社会への医療の体制を整える必要があると考えております。

「加齢」は誰にでもおとずれてくるものですから、この自然の摂理を悪ととらえず、誰もが年をとることを受け入れることのできる心のゆとりと、それを支える社会体制が重要なのではないかと私は考えております。このことは歯科医療にも通じており、到来する超高齢社会において「いかに若年者から中高年の方々に向けて、健全な歯牙を残せるよう歯科処置に真摯に従事できるか、個々にわたってその方に合わせた口腔ケアを奨励できるか、欠損した歯牙部分への治療のアプローチを正確にお伝えし、生涯全うされるまでかかりつけ医として最善の治療をできるか」、歯科医療に身を投じる一人の歯科医師として、歯科診療を通じてみなさまの生涯のサポートをしていけるようこれからも全力で邁進して参ります。