歯磨きをする正しいタイミングっていつ?
虫歯や歯周病を予防するためにも、毎日の歯磨きをしっかり行っている人がほとんどかと思います。ただ、機械的に歯磨きをしていても、十分な予防効果が得られないこともあるため注意しましょう。とくに「歯磨きをするタイミング」はとても重要となります。
食後すぐに歯磨きをするべき?
歯磨きをする正しいタイミングを考える上で「食後」というのは、とても気になる点ですよね。私たちのお口の中が一番汚れるのは、食事をしたあとだからです。
◎食後すぐに磨いても良い
食事をした後すぐに歯を磨くことで、虫歯菌の活動を抑えることができます。虫歯菌のエネルギー源となる糖質が速やかに除去されるからです。ただし、食事の直後には磨いてはいけないという考え方もあります。それは「酸蝕症(さんしょくしょう)」という病気が心配されるからです。
◎酸蝕症とは?
酸蝕症とは、虫歯による影響以外で歯が溶ける病気を指します。スポーツドリンクやお酢、ワインなど、お口の中が酸性に傾く飲食物は、酸蝕症の原因となります。また、食事の後というのは、基本的にお口の中が酸性環境となっているので、歯がダメージを受けやすい状態にあります。そこに歯ブラシによる強い圧力を加えると歯が摩耗するため、食事直後のブラッシングは控えた方が良いとする歯医者もいるのです。
◎不安な人は主治医の意見を聞く
酸蝕症になりやすいかどうかは、歯質や生活習慣、唾液の分泌量などを見ることである程度、判断することができます。ですから、食後すぐに歯を磨くことに不安を感じている人は、まず主治医にその点を相談することをおすすめします。
朝の歯磨きのタイミング
朝起きた時、私たちのお口の中はとても汚れています。これは睡眠中に口腔内が乾燥し、細菌の繁殖が促進されるからです。その点を踏まえると、朝起きてすぐに軽く歯磨きをした方が良いと言えます。もちろん、朝食をとった後はもう一度念入りに歯磨きをしましょう。朝2回も歯磨きする時間がないという方は、起床直後にうがいだけして、朝食後に歯を磨くようにしましょう。
夜の歯磨きのタイミング
夜の歯磨きは、眠る直前に行うのがベストです。就寝中は唾液の分泌が低下し、虫歯や歯周病のリスクが上昇するため、お口の中がきれいな状態で眠りに就くことが大切だからです。
歯磨きできない時はどうすればいい?
学校や職場など、外出先ではなかなか歯磨きしにくいことかと思います。そうした状況では、次に挙げる3つの方法で対処してみてください。
◎うがいだけする
食事をとった後、うがいをするだけでもお口の中はきれいになります。デンタルリンスなどを活用できればさらに予防効果が高まります。
◎水やお茶を飲む
うがいすらできない場合は、水やお茶を飲んで食べかすなどを洗い流しましょう。口腔内のpHも中性へと戻ることから、歯の再石灰化促進につながります。
◎キシリトールガムを噛む
ガムを噛むと、唾液の分泌が促されます。また、食べかすを洗い流す作用も期待できます。さらに、キシリトールが含まれているガムなら、虫歯菌の活動を大きく低下させることが可能となります。
ブラッシング指導の重要性
ここまで正しい歯磨きのタイミングについて解説してきましたが、正しい歯磨きの方法を身に付けることができる「ブラッシング指導」も積極的に受けていきましょう。歯磨きのプロフェッショナルである歯科衛生士が、それぞれに最適といえるブラッシング法を指導してくれますよ。同時に、歯磨きする正しいタイミングについてもさらに詳しくアドバイスしてもらえることかと思います。
【まとめ】
このように、毎日の歯磨きは回数や時間だけではなく、タイミングに気を配ることも重要です。上述した内容を参考にして、徹底した虫歯予防に努めましょう。