無痛治療への取り組み
歯科治療を行う上で、痛みが嫌だ、という方が一番多いです。
また不安や恐怖、緊張やストレスを抱えている方も多くいらっしゃいます。
当院では痛みやストレスの少ない快適な治療が受けられるように、配慮しております。
表面麻酔
注射の麻酔の前に表面麻酔を行います。
麻酔薬の染み込んだ綿を歯肉に塗布し、針の刺入点を痺れさせることによって刺入時の痛みを軽減することができます。
また、薬液が入ることによる痛みを避けるために、歯肉頬粘膜という痛みの出づらい場所に麻酔し、弱圧で時間を十分にかけて効かせていきます。
静脈内鎮静法
歯科治療が不安で恐怖心がある、ストレスが強い方には、静脈内鎮静法で麻酔を行います。
静脈内鎮静法は、向精神薬、鎮痛薬を組み合わせて静脈内投与し、治療に対しての不安や恐怖心、緊張を和らげるものです。ほぼ眠った状態で治療が出来るため、リラックスして治療に臨むことが出来ます。
当院では、インプラントなど、大きな治療の際に、麻酔科専門医立ち会いのもと、万全の管理状態で行います。
笑気ガス吸入麻酔
笑気ガスは亜酸化窒素(N2O)とも言います。
無色でわずかに甘い香りのする、刺激の少ない吸入麻酔薬です。
歯科治療の際は、低濃度の笑気と100%酸素を混合したガスを鼻から吸入していただくと、笑気ガスの鎮静作用により、歯科治療に対する恐怖心を和らげる効果があります。
精神鎮静作用があるため、緊張からくる痛みを取り除き、リラックスして治療をお受けいただくことができます。
虫歯の進行と治療法
C1:エナメル質内の虫歯
歯の表面のエナメル質が溶け始めた段階の虫歯です。
痛みがなく、ついつい放っておきがちです。
虫歯の部分だけを削除して、合成樹脂(レジン)を充填します。
C2:象牙質に達した虫歯
<症状>
虫歯がエナメル質の内側の象牙質に達したものです。象牙質はエナメル質により軟らかい組織なので、むし歯の進みかたが速くなります。
C1 と同様に合成樹脂(レジン)を充填するか、範囲が大きい場合は削ったあとに歯型を取り、金属やセラミックの詰め物(インレー)を作り、欠損部を修復します。
<治療方法>
通常、麻酔をして虫歯の箇所を削ります。削った箇所の型を取り、1回目の治療は終了です。
詰め物が完成するころ再度ご来院いただき、装着します。
C3:歯髄(神経)に達した虫歯
<症状>
虫歯が象牙質の内側の歯髄に達したものです。この段階では、歯髄に細菌が進入し激しい痛みを伴うことがあります。
歯髄の炎症が重度な場合は、歯髄組織を除去したあとで、根管内を消毒し、シーリング材を用いて充填します。
また、歯髄が死んでしまった歯はもろくなりますので、クラウンなどの被せ物をします。
<治療方法>
まず更なる細菌の侵入や痛み、歯の根っこの外への感染を防ぐため、歯の神経を取り除きます。
十分に消毒した後、歯の神経の跡に芯(コア)を立て、その上に被せ物を装着します。
治療は長時間かかります。
C4:歯質が失われた虫歯
<症状>
歯冠が溶けて無くなり、根の部分だけが残っている状態です。
菌が神経にまで浸食しており、腐敗して膿も出てきます。歯ぐきにも強烈な痛みが発生します。
C3の場合と同様に治療し被せ物をするか、やむを得ない場合は残った歯根部を抜歯します。
抜歯した部分は傷が治った後に、ブリッジ・部分入れ歯・インプラントなどの方法で補うことになります。
<治療方法>
当院では、歯を残すことを第一目標にし、治療を行います。
米国式根管治療で、抜歯と診断された歯も残すことができる可能性があります。
虫歯は自然治癒する?
こんなご経験ありませんか?
これは虫歯が自然治癒したのではなく、悪化している証拠。
初期虫歯(C1)が進行して、虫歯菌が歯の神経を破壊(歯髄壊死)すると、冷たい水などの刺激があっても痛みを感じなくなります。
痛みが無くなって安心していると、歯の根の先に膿が溜まり、口臭の原因となります。
虫歯菌は、やがて顎の骨にまで到達すると、骨髄炎になり、熱や嘔吐などの症状が出ることがあります。
また、血管を通じて脳や心臓などに感染すると、心筋梗塞や脳梗塞を引き起こす可能性もあります。