抜歯が必要な歯を残す可能性がある根管治療

根管治療とは

根管治療の成功率

アメリカでは９０％以上の成功率が普通ですが、日本では約６０％以下が平均といわれています。
下のグラフは、処置後のレントゲンで病変が見つかった比率を表しています。50~74%の歯に病変が見つかりました。つまり日本従来の根管治療の成功率は26～50％ということになります。

この違いは、保険制度にあります。
日本で行う根管治療は保険が適用されますが、アメリカでの根管治療は、自費診療が主流です。

保険ラバーダム：使用することもある

くろさわ歯科医院が行う米国式根管治療

米国式根管治療とは

米国式根管治療とは、日本で行われる「保険適用」の根管治療とは異なり、「自費治療」による根管治療のことを言います。

米国式根管治療では、治療時に細菌感染を防ぐラバーダムというゴムのシートを使用して、治療を行います。
感染を防止できるだけでなく、治療する歯が見えやすくなり、治療中の材料の誤飲を防止することもできます。
また、「マイクロスコープ」と呼ばれる歯科用顕微鏡を利用し、繊細な根管治療を行います。

このことから、日本の保険適用での根管治療より
・来院回数、治療回数の短縮
・成功率の向上
・抜歯リスクの低下
等が期待できます。

歯の形態には個人差があり、根管の形態まで様々です。
さらに、歯の根の中は細くて暗いため、肉眼で見ることは困難です。
くろさわ歯科医院で行っている「米国式根管治療」では、保険診療では使用しない機器を使用し、根管治療を行います。

米国式根管治療の手順

1.CT撮影・診断

2.ラバーダム防湿

3.歯の神経を消毒

4.神経の形を整える

5.薬を隙間なく詰める

このガッタパーチャを詰め込むことを、根管充填といいますが、2種類の方法で行います。

◆側方加圧充填
ガッタパーチャを固体のまま詰め込み、横から圧力をかけて押し詰める方法
◆垂直加圧充填
ガッタパーチャを半固体に溶かし、根の先からフタをするように詰め込む方法

リスク・副作用

根管治療を初めて施す歯の場合、3～10％で再び腫れたり痛んだりします。
再度根管治療を施す歯の場合、0～11％で再び腫れたり痛んだりします。

予約から治療までの流れ

初診・カウンセリング

根管治療をご希望の方は、まずお悩みをお聞かせください。
患者さんの歯の状態を診査・診断し、十分な時間をかけご説明いたします。
米国式根管治療は自費診療となりますので、治療にかかる費用や時間などについても、お気軽に質問ください。
安心して治療を受けていただけるように、ご説明いたします。

CT撮影・診断

歯科用CTにてレントゲン撮影を行います。
従来のレントゲンと違い、３次元の画像を撮影することができるため、根管の状態や形態まで詳しく調べることができます。

ラバーダム防湿

根管治療は、治療中に根の中に唾液や歯垢が入ってしまうと、成功率が下がり、再発を繰り返してしまいます。
そのためラバーダムというゴム製のシートを被せ、金具で治療する歯のみを固定します。
細菌が歯の根の中に入らないよう、湿気を防いだ状態で治療を行います。

歯の神経を消毒

菌に感染した歯の神経を残さず取り除きます。
歯の神経の管は、通常前歯と小臼歯で１〜２本、大臼歯は１〜４本あります。
歯によって、また人によって本数が違います。
この神経の管一本一本を丁寧に消毒します。
消毒しきれないと、痛みが残ったり再発する恐れがあるので、マイクロスコープを使用して丁寧に行います。

神経の形を整える

歯の神経の管はとても複雑な形をしています。
根の先端に薬を入れやすくするため、専用の器具を使用して形を整えます。

薬を隙間なく詰める

ガッタパーチャ(ゴムのような固体の薬)を、隙間ができないよう詰めます。
神経がなくなった歯は菌に再感染しやすくなります。
細菌が入り込む隙間ができないよう、ガッタパーチャを詰め込みます。

治療期間・治療回数、料金

治療期間

1～2ヶ月

治療回数

1～3回程度

料金

前歯部（前から3番目までの歯）
・抜髄（歯の神経の除去）・・・40,000円
・再治療・・・5,000円

小臼歯部（前から4,5番目の歯）
・抜髄・・・60,000円
・再治療・・・70,000円

大臼歯部（前から6,7,8番目の歯）
・抜髄・・・70,000円
・再治療・・・80,000円

米国式根管治療で使用する機器