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噛み合わせ(咬合力)による影響

こんにちは!歯科医師の安藤です。
花粉の季節になりました。
自分は日々花粉症で大変ですが皆様は大丈夫ですか?

さて、今回は噛み合わせの力(咬合力)が及ぼす影響についてお話ししたいと思います。

皆様、人の咬む力がどれくらいあるかご存知でしょうか?

おもいっきり咬んでもらうと平均70kgくらい力がかかり、日常的には男性で60kg、女性で40kgくらいの力があります。だいたいご自身の体重くらいの力がかかると言われています。

また、寝ている間の歯ぎしりはというと100〜200kgくらい力がかかります。

ちなみに地球上で一番咬む力(咬合力)が強い動物はワニで個体にもよりますが人間の40倍以上あるらしいです。恐ろしいですね…..。

そんな咬合力がお口に対してどのように影響があるのか。

まず臨床上で多いのが『咀嚼時の痛み、知覚過敏』

です。

歯は歯根膜と言われる線維によって顎骨にぶら下がっている状態です。つまり歯は少し動きます。その度に歯根膜は圧迫されて、やがて炎症を起こします。その歯根膜の炎症が咀嚼時の痛みやひどい場合は何もしていなくても痛いという症状になります。咬合力を考えてイメージするなら、お食事のたびに自分の体重で筋トレをして、歯ぎしりをするたびに負荷をかけた筋トレをしている様なものですね。筋肉痛になりますよね?ちなみに筋肉痛の時は何をしても痛いと思うのですがこれが歯ではいわゆる知覚過敏という状態になります。また筋肉痛後は筋肉の肥大が起こりますね。これはお口の中で言うと骨の添加が起こります。骨は下顎の舌側や上顎の口蓋(中央部分)に添加が起こります。これらの症状がある方はくいしばりや歯ぎしりが多いかもしれません。

次に多いのは『歯の咬耗などの削れ』です。

人の歯の表面(エナメル質)は身体の中で一番硬い組織ですが咬合力が強い人は硬い組織同士なので削れてきます。また歯の根っこ(歯根)は骨の中に埋まっています。先程お話しした歯根膜という線維の分、歯は動きますので骨の一番上の部分(骨頂)を起点として曲がる力がかかります。それにより骨頂より少し上の歯の根っこあたりがえぐれるよるうに削れてきます。もちろんこの歯の削れによってしみるということもあります。

また削れるだけではなく場合によっては歯の破折、詰め物、被せ物の破折なども起こる可能性があります。特に歯の神経がない歯は破折のリスクが高くなるので噛み合わせには注意が必要です。

そして症状があまりなく進行していくのが『歯周病』です。

咬む力によって歯は揺さぶられます。その力が大きいほど歯を支えている骨も圧迫され歯周病が進行していきます。特に大臼歯と呼ばれる奥にある二本の歯は咬む力が強いため歯周病が進行している方も多いです。なので一般的に歯周病と聞くと歳を重ねていくとなると思われがちですが若い方や咬合力が強い方、また歯列不正(噛み合わせが悪い方)の方は要注意です。

ここまではよく起こる症状ですが、ここからは歯列不正や、歯の欠損がある方に起こりうることをお話しします。本来ご自身の咬合力に対して上下左右で28本で支えていますが一本でも噛み合わなくなってしまうと他の歯の負担が大きくかかってしまいます。最初に話したように、日常生活でご自身の体重くらいの負担、歯ぎしりをすると100〜200kgくらいの負担を残りの歯で何日も支えていかないといけません。すると歯は押しつぶされるように移動していきます。これは歯一本単位でも起こります。「昔はもっと歯がきれいに並んでたのに」とか「だんだんすきっ歯になってきた」などの症状がある方は咬合力が影響しているかもしれません。

これらの症状を改善するには矯正治療や欠損補綴、噛み合わせの調整など、歯の一本単位での治療でなく、一口腔単位での治療が必要になります。歯列不正がある方や歯の欠損がありそのままにしている方は咬合力の負荷により残存歯の寿命を縮める可能性があります。理想的な噛み合わせにすることで長く使っていける口腔環境を維持できるようになります。もしもこれまでお話しした症状に覚えがある方は是非一度相談にきてください。

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宜しくお願い致します。

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歯科医師 安藤 立恭


咬合力とは
咬合力の測定値は、アメリカやカナダではPSI(重量ポンド毎平方インチ)と表示されている。
1平方インチ=約6.5センチ平方、1ポンド=約0.45kg。ちなみに、人間でいうと成人男性のPSIは160くらい。

咬む力動物ランキング
https://ailovei.com/?p=73293参照

歯列不正とは
歯列が、歯数の過剰や不足、個々の歯の萌出位置や方向の異常によって、正常な形から著しく逸脱している状態をいう。代表的なものとして、狭窄歯列弓、V形歯列弓、鞍形歯列弓(小臼歯だけが舌側に転移して、歯列弓が小臼歯部でくびれているもの)のほか、叢生、上顎犬歯の低位唇側転位(いわゆる八重歯)などがある。
https://kotobank.jp/word

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