インプラントの医療費控除
歯を失った際のインプラント治療は透明感のある自然な歯でしっかりとかむことができる様になるメリットの多い治療です。
ただ、ほとんどの場合は保険外の自費治療なので、費用が高額になってしまうことがあります。
そのため費用面で躊躇してしまう方も少なくないのではないでしょうか?
費用面が気になる方にお伝えしたいのが『医療費控除』です。
インプラント治療はほとんどの場合、医療費控除の対象になっているので、費用の一部が還付されるのです。
そこで今回はインプラントの医療費控除について詳しくご説明します。
【医療費控除とは?】
医療費控除は1年間に支払った医療費が10万円を超えた場合にその金額に応じて医療費控除が受けられる制度です。
対象は自分の医療費だけではなく、家族の分の医療費を合計して申請することが出来ます。
また、単身赴任などで同じ家に暮らしていない場合でも対象になります。
確定申告の期間は毎年2月16日~3月15日ですが、申告期限を過ぎてしまっても5年前までさかのぼることが可能な制度です。
【インプラントの医療費控除の対象】
インプラント治療にかかった治療費の他に通院する際に使用した交通費も医療費控除の対象になります。
地下鉄やバスなどを利用した場合に適応になります。
ICカードを利用した場合には明細書をダウンロードして、使用していない場合には、利用した日付、金額などをメモにとっておきましょう。
マイカーで通院した場合には対象外なので注意が必要です。
また、インプラント治療のためにした検査や手術後に服用した薬代などもふくまれるので領収書を保管しておきましょう。
〈申請に必要なもの〉
書類は税務署で医療費控除をすることを伝えるともらえますし、インターネットでもダウンロードすることが出来ます。
・医療費の領収書
・源泉徴収書
・交通費の記録
・申告者の口座番号
・印鑑
【医療用ローンや分割の場合も医療費控除の対象】
インプラント治療は高額になることが多いので1度に支払うのが負担になってしまうこともあります。
そのような場合には医療用ローンやクレジットカードの分割払いをすることができる歯科医院もあります。
そして、医療用ローンやクレジットカードの場合でも医療費控除の対象になります。
ただ、分割払いの場合には、全額支払いが終わっていないこともあるので、申請には契約書など費用が分かるものが必要です。
また、金利や手数料は対象外なので注意が必要です。
【医療費控除の計算方法】
〈控除額の計算〉
◆総所得が200万円以上の場合
実際にかかった金額-10万円=控除額 (保険金がゼロの場合)
◆総所得が200万円以下の場合
実際にかかった金額-総所得の5%=控除額 (保険金がゼロの場合)
注意が必要なのが、この『控除額』がすべて戻ってくるわけではありません。
更に還付金の金額を出すには所得税率を踏まえた上で計算します。
所得が多くなると税率も高くなるので還付金が多くなる仕組みになっています。
〈還付金の計算〉
控除額×所得税率=還付金
所得税率〈2016年の場合〉
195万円以下 5%
195万円以上330万円以下 10%
330万円以上695万円以下 20%
695万円以上900万円以下 23%
900万円以上1800万円以下 33%
1800万円以上4000万円以下 40%
4000万円以上 45%
例えば控除額が50万円で総所得が500万円の場合だと所得税率が20%なので
50万円×20%=10万円 が実際の還付金額になります。
【還付金だけではなく、翌年の住民税にも関係する】
医療費控除の還付金額がそれほど多くない場合でも医療費控除は翌年の住民税にも影響を与えるので必ず控除した方がお得です。
医療費控除は控除された金額分所得が少なくなったとみなされるので住民税の金額に影響を与えるのです。
例えば総所得500万円で医療費控除額が50万円だとします。
そして住民税率が10%の地域に住んでいると
500万円×10%=50万円
450万円×10%=45万円
そのため、翌年の住民税に5万円の差が出ることになります。
【すべてのインプラントが医療費控除の対象?】
インプラントは審美目的の場合は医療費控除の対象にはなりませんが、歯を失ってやむを得ない場合に治療することがほとんどなので、医療費控除の対象になることが多いです。
セラミック治療でも見た目をキレイにしたい場合で、歯に問題が無い場合には医療費控除の対象になりません。
気になる方は医療費控除の対象になりそうなインプラント治療か確認してあげると安心です。
【まとめ】
インプラント治療は高額だと躊躇している方でも上手に医療費控除をしたり、医療用ローンやクレジットカードを使って分割払いにすることでインプラント治療をすることができる場合もあります。
毎日の食事や見た目にも大きく関わってきますし、メインテンスと毎日のケアをすることで長い期間使用することができる治療です。
少し工夫することでお得にインプラントを受けることができるので、医療費控除を試してみてくださいね。
インプラント費用が気になった場合にはまず歯科医院で相談してみましょう。