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出っ歯(上顎前突)の原因って?

出っ歯(上顎前突)の原因って?

出っ歯(上顎前突)のイラスト

上の前歯が前方に突出している「出っ歯」(上顎前突)に悩まされている人は意外に多いものです。出っ歯というのは、顔貌に大きな影響を与えることから、コンプレックスになりやすい傾向にあるからです。そんな出っ歯の原因は、大きく3つに分けられることをご存知でしょうか?

出っ歯の原因①日常の癖

出っ歯は、日々の習慣や習癖によって引き起こされることがあります。

◎子どもの頃の癖

小さい頃に「指しゃぶり」や舌を前に突き出す「舌突出癖(ぜつとっしゅつへき)」などが続いていると、上の前歯が前方へと傾き、出っ歯を引き起こします。乳児期であれば、これらの癖も問題とはならないのですが、幼児期や学童期まで続くと害が大きくなります。

◎口腔習癖は早めになおす

4歳や5歳になっても、指しゃぶりや舌突出癖、爪を噛む癖などが残っていると、歯並びの異常が生じやすくなりますので、早い段階でなおすことが大切です。親御さまが言ってもならない場合は、歯医者さんの力を借りましょう。

出っ歯の原因②遺伝

出っ歯は、遺伝によって引き起こされることもある歯列不正です。

◎遺伝による前歯の位置の異常

遺伝によって、上の前歯が前方に位置している場合は、出っ歯となります。これは習癖や習慣とは関係のない要素なので、個人の努力でどうにかできるものではありません。

◎遺伝による上下の顎のバランスの異常

上下の顎の骨のバランスが悪いことでも、出っ歯になることがあります。上の顎の骨が成長しすぎるケースが最も一般的です。上の顎の骨が正常でも、下の顎の骨の成長が不足している場合は、相対的に上顎が前方に位置することから、出っ歯となります。ですから、重要なのは上下の顎のバランスです。

出っ歯の原因③歯が大きい

出っ歯の原因としては、歯の大きさのバランスも大きく関係してきます。上の前歯のサイズが大きいと、結果的に出っ歯となるのは容易に想像できますよね。

出っ歯(上顎前突)の治療法

出っ歯の治療法は、原因によって変わってきます。主に以下に挙げる3つが選択されます。

  • 習慣や習癖の改善

指しゃぶりや舌突出癖などの習慣・習癖が原因となっている場合は、それらを改善することが有効な治療法となります。なかなか治らない口腔習癖に対しては、専用の装置を用いるなどの歯科的処置を施すこともあります。具体的には、指サックを装着させて指しゃぶりできなくしたり、タングクリブという装置を用いて舌の突出を抑制したりします。

  • 歯列矯正で歯並びを整える

出っ歯になってしまった歯並びを治すには、歯列矯正が一番です。乱れた歯並びを1本1本ていねいに整えることで、出っ歯の症状も改善されます。マウスピース矯正やマルチブラケットを用いたワイヤー矯正で改善することが可能です。成長期の子どもであれば、ヘッドギアや機能的矯正装置も有効です。ちなみに、歯列矯正は部分矯正と全顎矯正の2つに分けることができます。それぞれのメリット・デメリットは以下の通りです。

◎部分矯正

部分矯正とは、その名の通り歯列の一部分を矯正する治療法です。

【メリット】

・治療期間が比較的短い

・治療費が比較的安い

・痛みや不快感が少ない

・出っ歯だけ治療することも可能

【デメリット】

・出っ歯の原因が歯列全体にある場合は適用できない

・奥歯などの噛み合わせまでは改善できない

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  • 外科治療による骨格の矯正

歯列矯正では対応できないような骨格的な異常に対しては、外科治療が行われることがあります。顎の骨を切って、その位置を修正することで出っ歯が改善されます。

ただし、外科手術を伴いますので、身体的な負担が大きいというデメリットもあります。費用においても、保険が適用されないことから、高額になりがちです。しかし厚生労働大臣が定める疾患に起因する場合保険適用となる場合があります。

【メリット】

・骨格的な原因の出っ歯を根本から改善できる

【デメリット】

・外科的手術を行うため身体的な負担が大きい

・健康保険が適用されない場合は費用が高くなる

【まとめ】

このように、出っ歯にはいくつかの原因がありますが、それぞれに有効な治療法が用意されています。大切なのはまず出っ歯の原因を知ることです。その上で最善といえる治療法を探していきましょう。

  • -この記事を監修した歯科医-

    くろさわ歯科医院 副院長 前田 昌孝

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