こんにちは。
歯科医師の井手です。
歯を喪失した場合、思い浮かべる治療法はなんでしょうか?
ブリッジ、義歯(入れ歯)、デンタルインプラントこの三つが真っ先に思い浮かぶのではないかと思います。
歯を失うと、その周辺の歯並びが変わり清掃がしにくい、噛み合わせが変わって余計な力が歯に掛かりやすくなるなど、結果的に周囲の歯がドミノ倒しの如く失うリスクが高まります。
このような理由から残存歯を守るために、原則として歯がなくなった場合、代替となる人工物で補っていく必要があります。金属やレジン、セラミックスなどといった人工物で歯を作り上げ欠損部を埋めていきますが、もう一度ご自身の歯で噛めるようにならないのか?という願いを叶えられるかも知れない方法があります。
抜かなければならない歯を抜歯したあと、主に智歯(親知らず)などをドナーとして移植する方法があります。
実際に私が初めて移植術を行った症例写真を用いて説明していきます。
これは根が破折したため抜歯をしなければならなくなった歯です。(左下6番)
右上8番(右上の親知らず)をドナーとして用いました。移植後は安静を保たなければならないため前もって噛み合う面を削っています。
悪い歯を抜いた直後です。術前に歯肉に炎症があり、そこは脆弱なため抜歯時に裂開してしまいました。
縫合糸と強い接着剤を用いて移植歯を固定しています。
術直後のレントゲン写真です。既存の骨と移植歯との間に大きな隙間があります。
術後、2週間です。このタイミングで根管治療(根の神経の治療)を行っていきます。裂開していた歯肉は綺麗に治癒しています。
根管治療も終わり、生着が確認できたので歯冠修復(被せ物の装着)を終え、その1年半後のレントゲン写真です。既存の骨と歯との間にあった隙間も骨で満たされているのが分かると思います。
この治療法は智歯があればどの方でも受けられる治療ではなく、一度詳しく検査をさせて頂いてから適応かどうか判断します。
歯の移植術は保険適応の治療ですので、もしご質問等ありましたら気軽にお声掛け下さい。
参考文献
東京医科歯科大学 顎口腔外科HP 歯の移植
https://www.tmd-osur.info/transplantation.html
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歯科医師 井手 康介