歯の詰め物というのは、何かの拍子に外れてしまうことがあります。そんな時は、慌てず適切に対応することが大切です。ここではそんな詰め物が取れる原因や対処法などを詳しく解説します。
歯の詰め物の役割
歯の詰め物は専門的に「インレー」と呼ばれており、レジンやセラミック、金属などで作られています。むし歯を削った際に生じた穴を塞ぐための装置で、歯の健康を維持するために欠かすことができません。もしも詰め物が装着されていなかったら、外からの刺激が歯の神経へと伝わりやすくなり、痛みや不快感、場合によっては歯髄炎を起こしてしまうのです。また、歯を削った部分は歯質が弱くなっており、再びむし歯になるリスクも高まっています。そうした二次的な虫歯の発症を防ぐうえでも、詰め物は重要な役割を果たしてくれるのです。
歯の詰め物が取れる原因
歯の詰め物が取れる原因は、主に3つが挙げられます。
むし歯の再発
詰め物の下でむし歯が再発すると、歯質との適合が悪くなります。すると、ちょっとした刺激で詰め物が取れてしまうのです。
金属や接着剤の劣化
詰め物を構成している金属や歯質との結合を担っている接着剤が劣化すると、歯から詰め物が取れてしまいます。こうした経年的な材料の劣化というのは、ある意味避けることのできない問題といえます。
歯ぎしりやかみ合わせの異常
普段から歯ぎしりをする癖があったり、かみ合わせに異常があったりすると、詰め物にかかる負担が大きくなることから脱落へとつながります。
歯の詰め物が取れたらどうすればいい?
歯の詰め物が取れたら、できるだけ早く歯科を受診しましょう。詰め物が外れると、弱くなった歯質がむき出しの状態となるため、早急に処置を施す必要があるのです。その際、外れた詰め物は捨てずに持参することが大切です。詰め物や歯の状態によっては、そのまま元に戻せることもあるからです。例え元に戻せなかったとしても、新しく詰め物を作る際の指標となるため、保管しておくのが賢明といえます。
歯科を受診するまでに時間があいてしまう場合は、チャック付きのポリ袋などに保存しておきましょう。ティッシュにくるんでおくと、そのまま捨ててしまうケースが多いため、あまりおすすめできません。
自分でケアしても大丈夫?
外れた詰め物は、自分でケアしてはいけません。詰め物が外れた時点で歯の表面は汚染されてしまっていますし、元に戻すには専用の接着剤と専門的な技術が不可欠だからです。そもそも外れた詰め物を元に戻せるかどうかは、歯科医師にしか判断できませんので注意しましょう。
放置するとどうなる?
詰め物が取れたまま放置すると、むし歯の再発を招きます。また、かみ合わせも悪くなることから、その他の歯にも異常が認められるようになります。さらに、詰め物が取れた部分に食べかすなどが詰まりやすくなり、歯周病菌の活動を活性化させてしまうこともあるのです。そのため、取れた詰め物はできるだけ早く専門家に対処してもらうことが大切です。
【まとめ】
このように、詰め物が取れた場合は適切な方法で保管し、できるだけ速やかに歯科を受診する必要があります。間違っても自分で処置することだけはやめましょう。歯の健康状態を悪くするだけですので、外れた詰め物の処置は専門家に任せるのが一番です。