インプラントの失敗の指標
インプラントを入れたけれども失敗してしまったと不安に感じている方向けに、「失敗かもれない指標」を解説していきたいと思います。
インプラントしたあとから、唇がしびれる
インプラントを入れる際に下顎の大きな神経を傷つけてしまい、一過性もしくは永久に唇の麻痺を起こしてしまうことがあります。
原因としては、事前にCT撮影をしなかった、シミュレーションをしなかった、などが考えられます。
麻痺が出てしまうところまではいかなくとも、植立後から痛みが取れないことがあります。 この場合も火傷や神経を傷つけたという可能性があり、痛みが2週間以上続く場合はインプラントが将来的に長くは持たない可能性があります。
インプラントしたあとから、鼻血や鼻汁が出やすくなった
鼻血が出たりするのは上顎洞(鼻の横にある空洞)で炎症が起きている可能性があるからです。
また、上顎洞内にインプラントを落としたり、上顎洞にインプラントを突き抜けたまま手術を終わりにしてしまったことにより、蓄膿症などに発展することがあります。
原因は唇の麻痺と同じで、シミュレーションをしなかった事が考えられます。
本来シミュレーションを行った上でインプラントを埋入する際に骨が足りない場合は、サイナスリフトやソケットリフトといった骨を足すのに適切なオペを併せて行う必要がありますが、サイナスリフトなどは、開業後に片手間に勉強会などで学び、見よう見まねで出来るほど簡単なものではなく、特殊なトレーニングを受けてきたドクターが行うべきです。また骨を足さずにそのまま入れてしまい、現状は大丈夫だけれども数年後に蓄膿症のような症状に発展する事もあります。
一口にインプラントと言っても、難易度は相当開きがあります。
患者様により状態が大きく異なるためインプラントを含めた治療計画は患者様個人の状態を考慮した上で作る必要があります。また、ドクターによっても意見が異なることもあります。しっかりとした治療計画には豊富な知識と経験、設備が備わっていることが必要です。
安心してインプラント治療を受けるために治療計画の内容をしっかり聞き、理解、納得した上で治療を受けることが大切です。そのため少しでも不安がある場合はセカンドオピニオンを受けることをお勧めします。
インプラントが取れてしまった
インプラントは絶対に取れないという事はありません。しかし、取れる理由として以下の原因が考えられます。
2、噛み合わせによるもの(インプラントの部分が高いなど)
3、全体的に歯周病がある状態でインプラントを入れた
4、インプラントの隣の歯の診査をしっかりしなかった結果、膿などが移りインプラントが取れた
5、インプラントのオペ時にドリルで穴を開ける際、骨に押し付けすぎて骨が火傷し、壊死した
6、抜歯後まだ骨が十分治っていないのにインプラントを埋入した
インプラントを埋入後2、3週間で抜けてしまったという事例もありますが、全心疾患によるものやオペ後の感染などが考えられます。
また、インプラントは骨と結合するのに2〜5週は最低でもかかります。その時期のインプラントへの負荷も抜けてしまう原因になります。
被せものの形が悪い、食べ物が詰まる、話しにくい
事前のシミュレーションが足りないとインプラントにした結果、食べ物が詰まったり、話しにくかったりすることがあります。
また、インプラントを審美的に仕上げるのは相当な技量と知識が必要となります。
被せものの形はとても大事であり、将来的なインプラントの持ちにも大きく関わるのでオペと同じようにこだわりや知識が必要ですが、あまり重要視されてない事が多いです。
その他のインプラント後の要チェック
植立後2、3週間で抜けてしまった
オペ後の感染、全身疾患が考えられます。
植立後、かぶせ物をした後にぬけてしまった
噛み合わせがよくない、歯周病の可能性、感染などが考えられます。
植立後から痛みが取れない
火傷、若しくは神経を傷つけたかもしれません。2週間以上続く場合はインプラントが取れる可能性が高いです。
数年経ってから抜けてしまう
インプラントの周囲にバイ菌が入ったことが考えられます。原因は、他の自分の歯の歯周病菌が入った、インプラントの位置が悪い、被せの形が悪い(食べ物がつまりやすかったり掃除しにくい)などが想定されます。
人工歯が欠けてしまう
噛み合わせが悪いか、被せものの設計もしくは形が悪いことが考えられます。
かぶせ物が取れてしまう
被せものの設計が悪いかも知れません。通常は簡単に外れる事はありません。