【インプラント治療の費用相場】
インプラント治療は外科手術や多くのパーツを必要とし、また原則として保険診療が適用されないため、入れ歯や差し歯などの治療法と比べても大幅に治療費が高額になると言われています。インプラント治療を検討している方は、その費用相場を事前に知っておく必要があるでしょう。
インプラント治療は保険適用外なので、治療費の額は統一的には決まっておらず、各医療機関が独自に設定しています。日本国内の歯科医院でインプラント治療を受ける場合、義歯1本あたり20万円~60万円程になることが一般的です。医院によって治療費にかなり幅が出ることが見て取れるでしょう。また、東京や大阪などの大都市圏では費用が高くなり、地方では安くなるという傾向もあります。
また、義歯に用いる素材によっても費用は大きく変わってきます。安価なのは金属やハイブリッドセラミックスの義歯ですが、金属は審美性に難がありますし、ハイブリッドセラミックスは経年劣化による変色が避けられません。対して、メタルボンドやジルコニアの義歯は審美性や強度に優れているものの、費用は高額になります。治療を検討する際には、その医院で取り扱っている義歯の種類についてよく説明を受け、予算とも相談して決めるとよいでしょう。
【インプラント治療費の内訳】
インプラントの費用は義歯1本あたりいくらと書かれていることが多いのですが、その金額は人工歯根や義歯だけの費用を指している場合もあれば、その他の諸費用を全て含んでいる場合もあります。歯科医院のホームページなどに掲げられている費用がどちらを指しているのかは、事前にしっかり確認する必要があります。
インプラント治療に最低限かかってくる費用の内訳は、
・事前や事後の検査費用
・診断料
・手術に用いる各パーツの費用
・外科手術費用
・治療技術料
・レントゲンの費用
・義歯の作製に際して作られる歯の模型の費用
などです。それに加え、症例や歯科医院の意向、患者さんの希望などにより、抜歯、骨移植、仮歯の製作、歯のクリーニングなどの処置が併せて行われることも多く、これらを合計すると治療費が大変高額になることも有り得ます。
インプラント治療を検討する際には、まずは信頼できる歯科医院で精密検査を受け、必要な処置の内容やその費用総額を正確に見積もりしてもらいましょう。
【安価インプラントの落とし穴】
最近では、義歯1本あたり10万円など、他と比べて破格の安さでインプラント治療を提供すると謳う医療機関も存在しているようです。しかし、「安かろう悪かろう」と言われるように、周囲の相場と比べて異常なまでに治療費が安い場合、治療自体のクオリティもそれに応じて低いということが考えられますので、十分に注意しましょう。
インプラントに用いられる人工歯根やアバットメントなどのパーツは、世界中で数百種類が流通しており、中には耐久性に難がある粗悪品も存在します。あまりに治療費が安すぎる場合、こうした粗悪なパーツを使ってコストを抑えている可能性があります。また、治療費を低く抑えている医療機関は、そのぶん患者さんへの丁寧なケアや審美性の追求を犠牲にしている場合もあるでしょう。インプラントは一度施術を受ければ一生付き合うものですので、一時のお得感に飛びつかず、信頼できる医療機関を真剣に探すことをお勧めします。
【医療費控除で税金の還付を受けられる】
インプラントの治療費は大変高額になりますが、家計への負担を一部だけでも軽減する手段があります。それが医療費控除と呼ばれるものです。医療費控除とは、年間10万円以上の医療費を支出した場合、確定申告を行えば納付した税金の一部が返還されるというものです。自由診療であるインプラント治療にもこの医療費控除を適用することができます。インプラント治療を受ければ確実に10万円以上の費用がかかりますので、この制度を利用しない手はないでしょう。
医療費控除の対象となるのは、医療機関に支払う治療費はもちろんのこと、通院に使った公共交通機関の運賃なども含まれます。確定申告では金額を証明する書類を提出しなければならないので、領収書などを忘れず保管しておくようにしてください。公共交通機関の運賃は、乗車区間と通院日付のメモだけでも認められる場合が多いようです。
インプラント治療の場合、歯科ローンなどを組んで分割払いで治療費を支払うケースも多いと思いますが、分割払いの場合でも医療費控除は問題なく適用できます。税法における収支の計算は、現実の支払の時期ではなく支払原因が発生した時期に基づいて行うルールですので、何年払いにしようとも、全額がその年の医療費控除の対象になります(つまり、次年度以降はまだ分割払いが続いていても医療費控除の対象にはなりません)。
医療費控除のことを知らずに治療費の支払いを済ませてしまったという方も、まだ間に合う可能性があります。医療費控除は、毎年の確定申告ごとに、5年前の分までさかのぼって申告することができるのです。今年の確定申告シーズンを逃してしまった方は、来年の確定申告で堂々と申告すればよいので安心してください。
インプラント料金表
すべて税別です
高品質 | (オペ代3万円+インプラント体<アストラテック>17万円 +インプラント上部構造<シンプルセラミック>10万円) 総額30万円(税別、別途スクリュー代、骨移植不要な場合) |
最高品質 | (オペ代3万円+インプラント体<ノーベルバイオケア>25万円 +インプラント上部構造<ジルコニアクラウンレアリング法>25万円) 総額53万円(税別、別途スクリュー代、骨移植不要な場合) |
インプラント関連料金
内 容 | 詳 細 | 費 用 |
---|---|---|
診断料・オペ代 | 完全滅菌状態の器具と、使い捨てのドレープ、オペ着を使用します。 | ¥30,000 |
麻酔 (静脈内鎮静) |
麻酔科専門医が付き添って行う麻酔です。 ほぼ眠った状態でオペを行えるため、快適です。 |
¥55,000(2時間) |
フィクスチャー(インプラント土台)
メーカー | 種 類 | 特 徴 | 費 用 |
---|---|---|---|
ブローネマルク社 (スウェーデン製) |
レギュラーサイズ | 最高品質。世界シェアNo.1メーカー。 | ¥250,000/1本 |
ナローサイズ | ¥250,000/1本 | ||
ワイドサイズ | ¥250,000/1本 | ||
アストラテック社 (スウェーデン製) |
レギュラーサイズ | 高品質。世界トップクラスメーカー。 | ¥170,000/1本 |
骨移植(骨が少なくインプラントを埋入するにあたり必要と診断された場合)
種 類 | 特 徴 | 費 用 |
---|---|---|
サイナスリフト | 上顎洞拳上術 | ¥150,000 |
ソケットリフト | サイナスリフトより必要な骨が少量で簡単な場合 | ¥50,000 |
ボーングラフト | 広範囲に骨の移植が必要な場合 | ¥50,000〜¥200,000 |
上部構造(被せ物)
イメージ | 素 材 | 特 徴 | 費 用 |
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シンプルセラミック | 単色のブロックを削り出して作製する被せ物です。通常のセラミックと比べ色の再現性、適合性が劣りますが、その分価格が抑えられています。 | ¥60,000 |
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オールセラミック(白) | 100%セラミックなので金属を使わず、見た目が綺麗です。 | レアリング法 費用:¥120,000 ステイン法 費用:¥100,000 |
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ジルコニア(白) | 人工のダイアモンドです。セラミックの中でも最も硬く、見た目がとても綺麗です。 | レアリング法 費用:¥150,000 ステイン法 費用:¥130,000 シンプル法 費用:¥100,000 |