オールオン4

オールオン4とは、歯をすべて失ったときに、最小限のインプラント本数で歯列全体の歯を補うことができる治療法です。
上顎または下顎どちらかに4本のインプラントを埋入し、それを土台として歯列全体をつなぐブリッジを装着します。
ブリッジはインプラントに固定するため、入れ歯のようにズレる心配がなく、見た目も自然で美しいのが特徴です。
従来のインプラント治療と異なり、骨が厚い部位を選んでインプラントを埋入することもできるため、骨移植が不要な場合が多く、手術負担や治療期間を短縮できるメリットがあります。

治療期間の短縮が可能

即日で仮歯を装着できる場合が多く、治療後すぐに噛む機能を回復できる。

身体的負担の軽減

外科手術で埋め込むインプラントの本数が少ないため、患者への負担が少ない。

自然で美しい仕上がり

オールオン4は、総入れ歯のように歯ぐきを覆う部分がありません。
そのため、自分の歯ぐきの風合いを生かすことができて仕上がりが自然です。

費用の節約

すべての歯を1本ずつのインプラントで補う治療法と比べて、少ない本数のインプラントで済むため、コストが抑えられる場合があります。

適用条件の制限がある

顎の骨が著しく劣化している場合や全身疾患がある方は、オールオン4が適応できないことがあります。

費用が高い

オールオン4は自費診療となるため、ほかの治療法に比べて費用が高額になる場合が多いです。

オールオン4は、失った歯を4本のインプラントで支える治療法であり、基本的に保険は適用されず自費診療となるため、治療費は全額自己負担となります。

保険診療は「命や日常生活に直結する病気の治療」に適用されるため、機能性と審美性を両立することを目的としたオールオン4は対象外です。
保険が適用されるかどうかは歯科医院によって異なることはなく、全国的に統一されています。
一方で、自費診療である分、使用できる素材や治療法、専用機器に制限がないため、見た目の自然さ・噛む力の安定・治療精度の高さといった点で非常に優れています。
また、オールオン4は高額な治療費がかかりますが、医療費控除の対象となるため、確定申告を行うことで経済的な負担を軽減できる場合があります。
さらに、デンタルローンや分割払いを活用すれば、月々の支払いを抑えながら治療を始めることも可能です。

インプラント手術中に歯周病菌に感染するリスクがあります。
当院には専用のオペ室があり、衛生管理を徹底することでリスクを最小限に抑えておりますが、術後も適切なケアを続けることが大切です。

インプラント周囲炎とは、インプラントを支える歯ぐきや骨に炎症が起きる病気です。
歯垢や歯石が原因で起こるため、インプラント治療後は自宅でのセルフケアと歯科医院での定期メンテナンスを欠かさないようにしましょう。

喫煙は、インプラントの成功率を大きく下げる要因となります。
喫煙によって毛細血管が収縮し、傷の治癒が遅れたり骨とインプラントの結合が妨げられたりする可能性があるため、インプラント治療を考えている方には一定期間の禁煙が必要です。

インプラントを埋入するためには、顎の骨に十分な厚みと高さが必要です。
骨が不足している場合、骨移植や骨造成が必要になることがあります。
骨の状態によっては治療が制限されることもあるため、事前の診断が非常に重要です。

インプラント治療は、基本的に保険適用外であるため、費用が高額になる傾向があります。
治療内容や使用する素材によって費用が異なりますが、事前にしっかりと見積もりを確認して治療計画を立てることが大切です。
費用面も含めて納得した上で治療を進めましょう。

オールオン4を長持ちさせるには、毎日丁寧なケアが欠かせません。
次のケアを行い、清潔な状態を保つようにしましょう。

毎日の歯磨きを丁寧に行う

オールオン4の部分は、柔らかめの歯ブラシを使用して力を入れずに優しく磨きましょう。
人工歯とインプラントの間の汚れは、歯間ブラシやデンタルフロスを活用して除去します。
歯間ブラシは、ワイヤーがコーティングされている製品を選ぶとインプラントや人工歯が傷つくのを防げます。

ジェット水流装置の使用もおすすめ

ジェット水流装置とは、水圧で汚れを落とすケア用品です。
通常のブラッシングでは取り切れないような隙間に潜む汚れを洗い流し、清潔を保つことができます。

オールオン4を快適に長く使用するには、毎日のセルフケアに加え、歯科医院での定期的なプロフェッショナルケアが欠かせません。
特にオールオン4は固定式であるため、セルフケアが十分に行き届かない場所が発生しやすいです。
オールオン4の寿命を延ばして快適な使用が続けるためにも、年に2～3回のメンテナンスを受けるようにしましょう。

歯科医院では次のようなメンテナンスを行います。

プラークや歯石の除去

付着した汚れをクリーニングし、口腔内を清潔に保ちます。

歯ぐきの状態チェック

インプラント周囲炎による炎症などのトラブルがないか確認します。

噛み合わせの調整

快適な咬合状態かを確認し、必要に応じて人工歯の調整を行います。

レントゲン・CT検査

必要があると判断した場合は、レントゲンやCTを撮影して、埋入されたインプラントや顎骨の状態を確認します。

インプラント周囲に炎症が起こる「インプラント周囲炎」は、日常のケア不足やメンテナンス不足が原因で発生します。
進行すると周囲の骨が減少し、最悪の場合はオールオン4の人工歯を支えるインプラントが脱落する可能性があります。
インプラント周囲炎は、日々の丁寧な歯磨きと定期的な歯科メンテナンスで早期予防と対処が可能です。

オールオン4の人工歯は経年変化によって、噛み合わせに不具合が生じる場合があります。
噛み合わせの問題を放置すると隣接する歯や顎関節に負担がかかり、頭痛、肩こり、上手く噛めないなどの不調を招くことがあります。
問題を未然に防ぐためにも定期的に歯科医院で噛み合わせをチェックし、必要に応じて調整してもらうようにしましょう。

インプラントや周囲の歯に歯垢や歯石が溜まると、インプラント周囲炎のリスクが増加します。
また、口臭の原因にもなるため注意が必要です。
オールオン4は構造が複雑なところがあり、天然歯よりもケアが難しいため、プロによる定期的なクリーニングを受ける必要があります。
数ヶ月に1回は、歯科医院でのメンテナンスを受けましょう。