インプラントは医療費控除で5万円も返ってくる！？

医療費控除の対象になるのは、「治療を目的とした費用」や「その通院に必要な費用」です。
次のようなものが該当します。

対象になる費用の例

・診察費
・治療費
・病院で処方された医薬品の購入費
・通院にかかった交通費（電車/バスなど。タクシーは原則不可）

対象にならない費用の例

・美容目的の治療
・通院時の自家用車のガソリン代や駐車場代
・医療保険や生命保険の保険料
・高額療養費制度などで補填された金額部分

インプラント治療費は、「噛む機能を回復するための治療」として対象となることがほとんどです。

医療費控除を申請できるのは、次のような方です。

・治療費を実際に支払った人（＝納税者）
・治療を受けたのが本人または「生計を一にする」家族（配偶者・子ども・親など）であること
・確定申告が可能な方（給与所得者も対象。e-Taxまたは書面提出）

「生計を一にする」とは？

必ずしも同居している必要はありません。
例えば、仕送りで生活している離れて暮らす大学生の子どもなども対象となります。

「治療を目的とした歯科医療」は、原則として医療費控除の対象になります。
機能回復や症状の改善を目的とした処置は、多くの場合で控除対象です。

具体的な治療例

・インプラント治療
・虫歯・歯周病の治療
・抜歯や根管治療（神経の治療）
・義歯（入れ歯）やブリッジの作製・装着
・噛み合わせの治療
・顎関節症などの外科的治療

「美容目的・予防目的」の歯科治療は、医療費控除の対象にはなりません。
見た目の改善や、病気の予防を主な目的とする処置は、原則として対象外です。

具体的な治療例

・歯列矯正（※見た目の改善のみを目的とする場合）
・ホワイトニング
・審美性を重視した自由診療の被せ物（※機能回復でない場合）
・定期検診・クリーニング（予防目的のみ）
・自費の歯ブラシ・フロスなどの購入費
・審美目的でのラミネートベニアなどの施術

ただし、歯列矯正であっても、発育に支障がある子どもへの矯正治療などは「治療目的」とみなされ、控除対象になる場合があります。

まず、1年間で支払った医療費のうち、控除対象になる金額は次のように計算します。
医療費控除の対象金額＝実際に支払った医療費合計－保険金などの補填額－10万円（または所得の5％）
※上限200万円まで

補填額に含まれるもの（差し引かれるもの）

・高額療養費として支給された金額
・出産育児一時金
・医療保険や共済などから支払われた給付金・入院費補償

注意点

総所得金額が200万円未満の人は、「10万円」ではなく「総所得の5％」が差し引かれます。

医療費控除の申請は、次の流れで行います。

書面での申請（郵送・窓口）

・医療費控除の明細書を作成
・確定申告書（第一表・第二表）を作成
・必要書類（源泉徴収票など）を添付
・税務署に郵送 or 直接提出

1〜2ヶ月程度で還付金が指定口座に振り込まれます

電子申告（e-Tax）の場合

・国税庁の「確定申告書等作成コーナー」にアクセス
・必要項目を入力し、医療費明細書も画面上で作成
・マイナンバーカードかID・パスワード方式でログイン
・データを送信して完了

還付金は早ければ2〜3週間程度で振り込み

e-Taxは、書類の提出が不要で還付も早いためおすすめです。